私の親父、某民間放送局に勤務しておりましたが、定年退職して、一線は退いております。
死んでもいないのに親父の思い出話を書くと、縁起が悪いので割愛します(笑)。教育熱心すぎた感もあり、私はかなり反発した方ですが、私がグレなかったところをみると、まんざら悪くはなかった父親のようです。
親父は、とにかく器用で何でも作る。職業柄、電子機器を自作することに長けており、私は小さい頃からハンダごてやテスタ、オシロスコープ、パソコンなるものがゴチャゴチャおいてある環境で育ちました。おかげで、私もどっぷりと電子工学好き人間として育ちましたが、何を血迷ったのか獣医になっております。ただ、いまだに私もハードウェアをいじるのが好きで、基板を見るとわくわくします。パソコンも自分で組まないと気が済まないですね。
ただ、お父様、小学校の時のクラス発表で、RAMとROMの違いを発表したときには、みんなドン引きでしたよ(笑)
さて、現役退いた親父ですが、私のような者にとって、重宝する存在であるときがあります。
ちょっとした機械や部品をつくって欲しいことがあるのですが、なかなか頼める相手がなく困ることがあります。私もおやじの技術を見て育ちましたので、「これは出来るはずだ!」までは理解できるのですが、そこから回路を組むとなると難しいのです・・・・。おまけに、医療用電子機器となると、安全性に関する配慮が一般の機器と比較にならない位、ずっと難しくなるのです。
先日ちょうどそんな事件に出くわしました。
手術の時、サクションなる機械を使用して、術野に貯まった血液や膿、洗浄液などを吸い出します。これがあると無いとでは作業が全然違います。特に交通事故などの急患の際には、お腹の中が血の海になっていることがあり、出血点を探すのにガンガン血液吸い出さなくてはなりません。これには不可欠な機械です。
この機械、私のところにあるタイプは、スイッチが足元になく、助手にコントロールしてもらうタイプです。しかし、この機械は、足元でコントロールできた方が何かと便利なのです。そこで私はフットスイッチを見つけてきて、ACの電源に直列にハンダ付けし、ダイレクトに電源をON/OFFできるようにしました。
スイッチの電流容量も充分あるので、問題はないのですが、サクションはモーターを使う機械。ON/OFFのたびにスイッチ内でモーターの誘導電流で火花が散っていないか気になります。スイッチの電極が劣化して、オペ中に制御できなくなるのは困るので、早めに何とかしなくてはと不安がありました。おまけにオペ室の床は水が飛び散ることが多いので絶縁をしっかりしておかなければ・・・などなど、いろいろ対策に迫られていたところでした。
ちょうどそんな折り、たまたま、親父とメールすることがあり、ソリッドステートリレー(SSR)を使用した制御回路を造ってくれないかと依頼したところ快諾してくれました。ただ、何せ物作りには凝り性な親父なもので、その後細かな確認メールがばんばん届き、「もういいから! 任せるから!」と話を切り上げて作ってもらいました。
| で、届いたのが写真の機械。制御用のSSRとスイッチング電源、オペ室の機器に影響がないようにとノイズフィルターを組み合わせたシンプルな制御機器です。フットスイッチをふむことで、AC100Vのラインを、ノイズなく、安全にON/OFFできます。 |
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到着次第、まずケースを開け、中身をチェック。いまでも、おやじの回路は一目見て分かりますね。機械は作った人の個性が出ます。親父らしい配線の方法です。同系列の電線をきれいに縛ってあります。端子も全部、熱収縮チューブでコーティングしてあります。
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おまけに、フットスイッチが抜けないようにしかっりしたコネクターをつけるように頼んでおいたのですが、ついてきたのがキャノンコネクター。これ頑丈ですが高価なんですよね。
フットスイッチがダメになっても正面に手動操作できるボタンスイッチ、安全ヒューズも2系統別々に入り、動作表示ランプも電源ラインとSSRの制御系の両方の分がついてます。
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いや〜何というか、オペの現場を考慮した良い出来です。
安全面でもこの上ない。
到着した日から、早速オペに使用しておりますが、快適この上なく、安全に作業できます。
ほんのちょっとした機械なんですが、こういったものがあるかないかで、作業は全然違うものです。
これ売れそうですよ、親父様。 |
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オペ室の機器棚
赤枠の中に鎮座してます。 |