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顕微鏡のレストア(2008年1月)

 最近、患者さんが多く来てくれるようになりました。大変ありがたい話ですが、いろいろと問題も発生してきました。
 私の病院、獣医2名で、診察室2つを使い、同時に診療を行っています。しかし、1つしかない検査機械もあり、どちらかの診察で使用すると、もう片方の診察の検査は、順番待ちとなります。特に困るのが、顕微鏡。最近は、使用頻度も高くなり、もう1台ほしいところですが、購入できる程の経済的な余裕もない。

う・・・・ん、何とかならもんかな・・・・
そんな折、運良く中古の顕微鏡を譲り受けることでが出来ました。この顕微鏡、オリンパスの「BH-2 BHT」という機種で、大学にいる頃、実習でよく使っていました。使用感覚も慣れてるし、古い割には、映りもきれいで満足できる機械です。レンズにもゴミ1つないし、くもりも無し。
いい掘り出し物が手に入ったと喜んでいたのもつかの間、ピント調節に難あることが分かりました。顕微鏡のピントには、素早くピントを合わせる「粗動ハンドル」と、微調整用の「微動ハンドル」があるのですが、「遊び」が非常に大きく、特に微動では、ステージを上げて、下げようとする際、2回転ほどしないと動かない致命的な障害があることが判明。これでは微細な細菌とか見るとき、使い物にならない様子。

「ただ」だから文句は言えないけど、これでは・・・・・  と後悔してもいられません。

これから書く事は、まねしてはダメです。メーカーさんから多分怒られますし、修理も受け付けてくれなくなるかもしれません。あくまで自己責任です。
でも、同じような苦労している人たちへ情報を提供するという目的で、書いておきますね。なので、かなりマニアックです。
何とか治そう! 顕微鏡の手術です!早速、診察台で、バラバラに分解。こういうシステム顕微鏡は、分解しやすいような構造になっており、特に光学系のメンテがしやすくなっています。しかし、問題はそこではなく、通常では分解できないハンドル機構の部分。何とか分解しながら、原因を探しますが、なかなか見つからない・・・・

こういう時って、手術でお腹を開けて、癌を見つけるときの気分に似てます。



いくらバラしても糸口見えないので、ネットで情報の検索。しかし、出てくるのは光学系の分解ばかりで、ピント系のところの情報は無し。
まぁ、当たり前ですよね。さわるなって事です。

試行錯誤の末、2日かけて、やっと原因わかりました。ギアやステージに塗ってあるグリスが劣化して粘性が高くなり、動きが固くなっていたことが原因でした。このベタベタ油のおかげで、ギアの遊びがおかしくなっていたという、意外と単純な原因。
早速、バラしたギアに、歯科用のハンドピース用のオイルイスプレーを噴射して、古くなったグリスを洗い流し、また元のように組み立てます。



ステージ昇降用のレール。
ボールベアリングもどきの円柱の金属がたくさんついてます。


ベアリング?
これもオイル洗浄した後、組み立てます。
クセある場所なので、苦労する場所です。

 
しかし、この組立がやっかいでした。ステージを固定するネジがあるのですが、ここの調整が非常にシビアで、固くするとステージの動きが固くなり、「遊び」が大きくなります。ゆるめればステージの「遊び」はほとんど無くなるのですが、高倍の対物レンズで見ていると、ピントの調整時にステージがぐらついて、像が動いてしまう。
 いろいろ悩んだ末に、ネジにマジックで印をつけ、六角レンチで、10度ずつ位、少しずつ固く締めていき、「遊び」が無くなり、ステージもぐらつかないベストなポイントを探します。これ、すごくデリケートな調整で、数時間かかりました。


黄色矢印のネジが重要なポイント

いろいろと苦労させられましたが、ようやく完成。

さらにその後、運のいいことに、同じオリンパスの「BH-2 BHS」の「広視野タイプ」も手に入れることが出来ました。コヤツと、部品をとっかえひっかえして、1台のいい顕微鏡を合成。新品並みにスムーズに動くいい顕微鏡が完成しました。
残った部品でもう1台の方も完成し、こちらは予備機となりました。

早速、USBの顕微鏡用カメラを取付け、ビデオ配信できるようパソコンと接続。
なかなか良い出来です。

レストア後にPCと接続
本体はBHS。ステージや対物レンズはBHTからの移植。
広視野三眼鏡筒と広視野接眼レンズ(SWHK)はBHSより。

これで、もう患者さんを待たせることは無くなりました。

あ、血液検査の機械も、もう1台ほしいなぁ・・・・・
でも、500万円ぐらいするし、中古はないし・・・。

う・・・ん、
とりあえず宝くじ買っておきますか(笑)