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スリットランプの改造(2008年3月)
 目の検査をする際、あると便利なのがスリットランプ。角膜や虹彩を拡大して観察でき、細い線状の光で角膜を見ることで、角膜に出来た傷の深さなどを調べることが出来ます。簡単に言えば、実体顕微鏡の様なものです。
 大型の物はよく市場に出回っており、人間の眼科などには必ずおいてあります。しかし、動物臨床において使用しやすいのは手持ち式です。


 大変高価なため、買えずにおりましたが、知人が買い換えで古くなったものを譲ってくれました。KOWAのSL-2なる10年以上前の旧型です。
 幸い、この手の機械は昔とほとんど構造が変わっていないので、今でも十分通用します。
 
 しかし、覗いてみると、光軸が曇っており、レンズにカビが生えてる様子。おまけに、光源が壊れている等の問題有り。
 早速、修理&改造にトライしましたので、その経過をお見せしますね。もし同型のタイプをお持ちの臨床獣医さんには、お勧めの改造ですよ。

毎度のことですが、ここに書くことはまねしてはダメです!
メーカーの保証は一切受けられなくなります。

【Step1 レンズのクリーニング】
 まず接眼レンズを外し、鏡筒の分解。最近のプラスチック成形ではなく、金属&ネジ式なので、ネジを精密ドライバーであければ簡単に開きます。金属のカバーを外し中を覗いてみると、汚い・・・・・
プリズムの表面が曇っている。大小様々なカビがプリズムを覆っています。原因は、これか・・・


幸いにもレンズにはくもりは無し。考えていてもしょうがありませんので、プリズムの抑え板を外し、プリズムを取り出します。
片眼2個のプリズムで光軸を屈折させていますので、左右で合計4個のプリズムが出てきます。この構造は双眼鏡と全く同じなので、この辺の修理やら改造したことある人にはおなじみの感覚です。


あらためて、取り外されたプリズムを見て、ため息。こんなにひどいカビ、どうやってとるかな・・・・?

とりあえず、顕微鏡用のレンズクリーナーでごゴシゴシ。 → 全く落ちず。
100%アルコールでゴシゴシ → 全く落ちず。
洗剤でゴシゴシ  → 全く落ちず。
念のため、吐息でゴシゴシ  → 全く落ちず(ちょっとうれしい。これで落ちたら俺の吐息って・・・)。


う・・・ん、 ん!? 超音波洗浄でとれないかな?
プリズムを、歯科の切削バー洗浄用のカゴにいれて、超音波洗浄してみました。
60分ほど振動与えて見たところ、落ちました!
きれいです! まるで宝石のよう!
超音波洗浄、あなどれぬ!





【Step2 光源のLED化】
元どおりに組み直して完成。曇りひとつない視野ってのはきれいです。
これでおしまい・・・にしようかとも思いましたが、せっかくなので、光源の改造もしてみました。

このSL-2は、外部光源タイプです。最新モデルでは白色LED内蔵で軽くて便利なのですが、昔のスリットランプは、外に大きなライトソースがあって、そこからファイーバーで光を持ってくる構造です。でも、これではせっかくの機動性がファイバーだと制限されてしまう。なら、LED化してみましょう!
 手持ちの工具箱の中から白色LEDと昇圧用の基盤がセットになったモジュールを見つけ、これをファイバの接続用の穴にホットボンドで固定。(これがない場合は、LEDペンライトのLED+昇圧回路を利用すると簡単ですよ。)

 本体裏面に電池ボックスをホットボンドで固定し、本体に穴を開けてトグルスイッチを固定。それぞれをハンダ付けして完成です。
 点灯試験してみたところ、まぶしすぎる!
キセノン光源より強いんじゃないかな? おかげで、見やすいことこの上ないうえ、熱を持たないので生体にも安全。



 LEDって便利になりましたよね。子供のころはインジケーター程度の使い道しかありませんでしたが、最近のは出力が半端じゃなく強く、十分照明用途に使えますよ。私の知人は、内視鏡の光源をLED化した者がおりますが、純正より明るくて使いやすいとか。
早いところ、医療用の機器も、どんどんLED化してほしいものです。