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Q 1ヶ月前からうちで飼っている犬がよく咳をします。最近、お腹が張り、おしっこの色も黒くなり、元気がありません。動物病院で診てもらったら、フィラリア症で危険な状態で、治療にもリスクが伴うといわれました。雑種は強いというので予防はしていませんでした。リスクのない良い治療方法はないのですか?
(2006年9月2日デーリー東北掲載)

 
 蚊取り線香をたいていれば蚊が死ぬので感染しないとか、雑種は強いから大丈夫、大型犬だから感染しても問題ないなどという、何の根拠もない誤解から、大事な命が失われることが多々あります。寄生に関して、犬の種類や大きさは関係ありませんし、蚊取り線香でも完全に蚊を撃退することは不可能です。


フィラリアの吊り出し手術の様子
(マイクロ手術)
首の横の血管から細長い器具を入れて心臓付近の虫を吊り出します。

 
 感染したフィラリア幼虫は、心臓や肺の血管の中で成長し、血液を送る機能を弱めたり、弁に絡んで血液を逆流させたりします。このため、お腹の血管に負担がかかって水がたまったり(腹水)、肺が痛んで咳が出たりします。重症では、血液の中の赤血球が壊れやすくなり、血の色をした尿(血色素尿)がでることがあり、濃い茶色や黒っぽく見えることがあります。
 
 一度感染してしまうと、駆除できるいずれの方法でもリスクが伴います。重症の場合は、首の血管から心臓まで特殊な器具を入れて虫を取り出す手術を行いますが、リスクが高く、死亡することもあります。また、ある種の駆虫薬を注射して、寄生した虫を殺す方法もありますが、虫の死体が血管内に詰まって栓塞症を起こし、ショック死する可能性があります。また、軽傷の場合であれば、フィラリアの寿命を待つという方法もあります。予防薬を1年間とおして毎月飲みつづけ、新たな寄生虫感染を防ぎつつ、すでに寄生したフィラリア成虫の寿命(約5年)を待ちます。しかし、この方法は高齢犬では使えず、犬の寿命の方が先に来るため、症状を改善できる時間がないことがあります。

 このため、どの方法が一番よいのかは、全身状態や感染の程度をよく検査してからでないと決められません。動物病院でよく相談されて、治療法を決定されてください。