〒033-0037 青森県三沢市松園町2-7-15
本田動物病院 TEL 0176-57-3468
since 2005/04/01

Q 実家で飼っているミニチュアダックス(13才)が、ウンチをするとき、すごく苦しそうに鳴きます。おしりを見てみると、肛門の左側が腫れていて、動物病院で診てもらったところ、会陰ヘルニアで手術が必要だといわれました。どういった病気で、どういう手術になるのでしょうか?
(2007年3月31日デーリー東北掲載)

 会陰ヘルニアは、高齢の犬で比較的よく見られる病気です。
 下腹部には、骨盤と呼ばれる大きな骨があり、お腹の中の腸や膀胱を包み込んでいます。骨盤の内側は、骨盤間膜と呼ばれるうすい膜で覆われており、腸などが骨盤の隙間から体の外に飛び出さないようになっています。さらに、その外側にはいくつもの筋肉が網目状になって覆っており、体の外からの衝撃に内臓を守っています。


ハスキーに出来た会陰ヘルニア。
肛門全体がもっこりと腫れています。右側の会陰部には大腸が飛び出してきているのが触診で分かりました。

 しかし、何らかの原因で、骨盤間膜が破れたり、筋肉の編み目が緩くなって穴状の隙間が出来ると、本来は骨盤の中にあるはずの大腸や脂肪などが飛び出して、皮膚のすぐ下まで移動し、肛門付近の皮膚が大きく腫れてしまいます。このような状態を会陰ヘルニアと呼びます。この時、大腸は大きくふくらんだり、曲がっていることが多く、ウンチがスムーズに出ない状態です。このため、排便の時に強い痛みがあり、苦しそうに声を出したり、何度もしゃがむ姿勢をする「しぶり」がよく見られます。

 会陰ヘルニアの発生メカニズムには、加齢、慢性便秘、ホルモン異常、神経性の筋肉萎縮、遺伝的素因など諸説ありますが、確定的な原因は、まだはっきりしていません。ただ、高齢な犬、かつメスよりオス犬に発生が多く、特に去勢をしていない犬で発生が多い研究結果があり、年齢とホルモンの関連性は強いと言われています。

 この病気を治すには、手術によって飛び出した大腸や脂肪を元の骨盤内に戻し、再び出てこないようにするため、緩くなった筋肉や膜を糸で縫う手術となります。しかし、経過が長く、穴が大きくなっている場合は、テフロンやシリコンなどの人工素材を利用したインプラントを埋め込んで、穴をふさぎます。どの方法がよいかは、動物の体調や穴の大きさによって異なりますので、かかりつけの獣医師と十分に相談されてください。

 また、この病気は再発しやすいのが特徴です。このため、術後も定期的に健康診断を受け、会陰部の状態をチェックされる事をお勧めします。