
「お薬のんでね」 「絶対イヤ!」
薬入りのフードはなかなか食べてくれません。
|
|
これは、日々の診療においてよく見られる問題であり、患者さんのみならず、多くの獣医が頭を抱えている問題です。猫は、薬の味に敏感であり、なかなか飲んでくれません。特に苦みが強い抗生剤や止瀉薬などの錠剤は、口に入れるとヨダレで泡を吹いてしまいます。無理に飲ませると、吐いてしまうこともよくあります。
|
これらの問題を解決すべく、メーカーもいろいろな工夫をしています。表面を特殊なフィルムで保護して苦味がしないようにしたり、薬自体にバニラの風味や、猫が好む味付けがされている物などあります。もちろん犬用の物も開発されており、ビーフジャーキーの様な食感の薬や、チキン味のクッキー状の物などあります。
錠剤が大きかったり、好物と一緒なら食べてくるペットの場合は、錠剤を砕いてフードに混ぜると良い場合があります。しかし、薬を砕く際は、一言獣医師に相談してください。先ほど述べたように、苦味をしないようにフィルムで保護されている薬の場合、砕くと余計苦くなり食べてくれません。また、腸溶性カプセルといって、胃を通過して腸で吸収されるように設計されている薬などは、砕いたりカプセルを分解すると、胃酸で薬が変化してしまい、思ったような効果が発揮されません。獣医師から砕いてもOKと言われたもの以外は、砕かないのが鉄則です。
しかし、どうしても薬を受け付けてくれないペットの場合は、注射で対処するのが良いでしょう。無理矢理、薬を飲ませるのはペットにとっては大きなストレスですし、薬を混ぜたことで、お気に入りのフードさえ食べなくなり、衰弱するペットもいます。最近では、1回の注射で2週間ほど効果の持続する注射薬などありますので、薬の代わりに注射が選択できるのであれば、飼い主さん、ペット共々ストレス無く治療を続けることが出来ます。
もっともいけないのは、薬を飲まないからといって、投薬を中止してしまうことです。理由があって処方されている薬なのですから、飼い主の勝手な判断で投薬を止めると、症状が悪化してしまいます。どうしても、薬を飲まない場合は、必ず獣医師に相談してください。 |