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Q 5才のポメラニアンを飼っています。昨年より、少しずつ毛が抜けてきて、地肌が見えるようになってきました。今では、首から下が裸に近い状態で寒そうです。かゆがったりはしませんが、地肌が少し黒くなってきたようです。
(2007年12月8日デーリー東北掲載)

 

ポメラニアンの起きた脱毛症。
様々な原因が考えられますが、原因不明のX脱毛症と呼ばれる病気もあります。

 大変難しい質問です。脱毛の原因は様々で、たくさんの可能性を考えながら治療しなくてはなりません。正確なことは診てみない限り何ともいえませんが、質問から察するに、ホルモン性の病気の疑いがあります。代表的なホルモン異常から起こる脱毛に、甲状腺機能低下症と副腎皮質機能亢進症があります。

 甲状腺機能低下症とは、首のところにある甲状腺と呼ばれる小さな組織から、甲状腺ホルモンがうまく分泌されないために起こる病気です。元気が無くなり、全身性の脱毛がおこります。鼻や尻尾のつけ根付近が黒っぽく色素沈着することもあります。遺伝的に起きることもありますが、甲状腺に起きた炎症からこの病気に発展することもあります。血液検査によって確定診断できる場合もありますが、現実には判定が難しい症例も多く、投薬しながら治療効果を診る「診断的治療」が有効な場合も多いものです。この病気の治療には、体内で不足している甲状腺ホルモンを薬で補う治療方法を採りますが、治療期間は長く、生涯にわたって投薬が必要なこともあります。
 副腎皮質機能亢進症とは、以前、このコーナーでも紹介しましたが、腎臓のすぐ側にある大豆ほどの器官である副腎から、ホルモンが出過ぎるために起きる病気です。多飲多尿、腹部膨満、全身性の脱毛などが起きます。こちらも、血液検査をして、ホルモン濃度を測定することで病気を判定します。治療薬を飲むことで、症状を改善することが可能ですが、非常に高価な治療薬であり、飼い主さんの負担が大きな病気です。
 また、これらホルモン異常以外にも、ポメラニアンに多い「X脱毛症」とよばれる病気もあります。これは、成長ホルモンや遺伝的要素の関与が示唆されてはいますが、正確な原因は不明であり、いくつかの治療薬を試みながらの治療となります。
 いずれの病気も、原因が治療できたとしても、一度抜けた毛が再び生えそろうには、数ヶ月かかり、非常に根気がいる治療です。このため、おかしいなと思ったら、早めに動物病院で精密検査を受け、治療を始めることが重要です。