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Q 6才の雑種のオス犬を飼っています。昨日、便の中に白いそうめん状の虫が出ました。生まれてから毎年フィラリア予防はしていますが、なぜ便にフィラリアが出たのでしょうか? 市販の駆虫薬でも治せるでしょうか?
(2008年3月22日デーリー東北掲載)

 

左がフィラリア  右が回虫
見た目はそっくりですが、全く別な寄生虫です。

 当院でも、何回かこの質問をされたことがありますが、これは、フィラリアとは全く別な寄生虫です。
 
 フィラリアとは、イヌ糸状虫症の原因となる寄生虫で、主に心臓やその付近の血管に寄生します。そうめん状の細く白い寄生虫で、これが心臓の弁にからんだり、血管内に詰まることで、血液の循環不全をおこし、犬を死に至らしめる恐い病気です。

 この病気は、このコーナーでも幾度となく紹介しているように、犬を飼われる方にはもっとも身近で死の危険が伴う恐い病気であり、毎年多くの子が命を落としております。しかし、この病気を媒介する蚊が飛び回る季節に、しっかりと予防しておけば、感染を防ぐことができる病気でもあります。

 ご質問にある便から出た寄生虫は、「犬回虫」と思われます。確かに、フィラリアと色や形が似ていますが、全くの別物で、犬回虫は腸管の中に寄生しています。フィラリアは、血管や心臓の中におり、便に混じって出ることはありません。犬回虫は、寄生虫としては比較的よく見られ、腸管の中で宿主の栄養を横取りしながら生きています。寄生数が増えすぎると便に混じって出てくるようになり、まれに、吐いた物の中から見つかることもあります。これは、駆虫薬を飲むことで治すことが出来る病気です。
 
 いずれにせよ、動物病院で糞便検査をしてもらい正確な診断を受けて下さい。寄生虫感染症の犬は、回虫だけでなく他の寄生虫にも感染していることが間々あります。また犬回虫ではなく他の寄生虫の死骸やヒモなどの異物の可能性もあります。動物病院では、これらの原因を特定してから、それぞれに有効な薬の処方や処置がなされます。
 便に虫が出たため市販の駆虫薬で治そうとする方もいますが、有効成分が低い上、有効な寄生虫が限られています。当てずっぽうな駆虫薬の投与は、症状を長引かせるだけでなく、結局の所、高くつきます。また、フィラリアの駆虫薬は市販されておりません。これは農林水産省より動物用医薬品として認可された物なので、動物病院で診察を受けなければ処方は出来ません。