〒033-0037 青森県三沢市松園町2-7-15
本田動物病院 TEL 0176-57-3468
since 2005/04/01

Q 私の飼っている犬が、4月の初め頃から蚊に刺されています。昨日も背中で血を吸っている蚊を見つけたので、叩きつぶしたら、血が出ました。血を吸っていたと言うことは、感染したということですか? いつもは5月の終わり頃からフィラリア予防を始めていましたが、もう始めた方がよいでしょうか?
(2008年4月26日デーリー東北掲載)

 

あたたかくなったらフィラリアのシーズンです。

 はい。このケースの場合、フィラリア予防を始めた方がよろしいかと思われます。確実に予防するために、まず、感染のメカニズムを理解しましょう。

 フィラリアとは、正確にはイヌ糸状虫症と呼ばれる蚊が媒介する寄生虫感染症です。フィラリアにはオスとメスがあり、感染している犬の体内で生殖することで、ミクロフィラリアと呼ばれる大量の子虫が生まれます。

 これは顕微鏡でないと見られないぐらいの小さな寄生虫です。この犬の血液が蚊に吸われ、これが他の健康な犬を吸血した際、蚊の唾液の中に含まれるミクロフィラリアが、健康犬の皮膚に付着してしまいます。このミクロフィラリアは、皮膚から筋肉へともぐり、やがて血管へと到達します。そして心臓付近へと流れつき、数ヶ月かけて成虫へと成長します。成虫となったフィラリアは、血管の中でつまったり、心臓の弁に絡んで閉鎖不全症をおこして、多くの犬が死亡します。

 成長してしまった成虫を駆虫すると、死体が血管内で詰まってしまいショックで死亡することもあり大変危険です。しかし、筋肉内をもぐっている途中の子虫は、非常に小さく、駆虫しても問題ありません。フィラリア予防薬はこの子虫を殺す「駆虫薬」です。ですので、蚊に刺されて筋肉内を移動している時期、つまり蚊が出始めてから1ヶ月後から飲み始め、蚊がいなくなってから1ヶ月後まで,毎月1回予防薬を飲む必要があります。
 例年ですと、5月から10月ぐらいまで駆虫を行いますが、実際には住む環境によって微妙に異なります。特に養豚場の側や、蚊が繁殖しそうな汚水の多いところ、年中暖かい繁華街では比較的早くから蚊が出現し、刺にされた例があります。また、県外への旅行、特に九州などの南日本へ犬と一緒に旅行したことがある場合、4月の時点ですでに蚊に刺されているケースがあります。もし、蚊に刺された可能性が高い場合は、早めからフィラリア予防をする必要がありますので、お近くの動物病院にご相談下さい。